<前回までのあらすじ>
ある夜、事務所でひとり誌面の設計図である「ラフ」をしこしこ
作成していた平岸ばなな。そこへ突然、ある人物が姿を現した…。
扉の開く音を不審に思い、様子を見に行くと、
そこには、
なんと、
からあげ大臣先輩がいたのです。
この日は、お世話になっている方々との親睦会があり、
終了後、わざわざ立ち寄ってくれたそうです。
「まだいたの?!」と、驚かれました。
そして、大変ありがたいことに、少し手伝ってくれる
というではありませんか。リスト段階から、先輩たちに
頼ってばかりだなあと、情けない気持ちもありつつ、
お願いすることに。
ところが、からあげ大臣先輩の筆は一向に進まないようでした。
しばらくうーん、うーんとうなり声を上げていましたが、
突然、ぱたりと鉛筆を置き、ばななに向かって
「酔っ払ってて、描けない!」と、衝撃の告白をされたのです。
…仕方がありません。…ばななが…ばななが、間違っていました。
すみませんでした。
あと3枚ですので、自力でがんばります。「見守ってるわ!」
というからあげ大臣先輩の応援(プレッシャー)に耐えながら、
なぜか面談され(現状に対して不満はないのか…等の質問に答え)
ながら、なんとかラフを描ききることができました。
↑からあげ大臣先輩が寝込んだ現場はここです
困ったのは、このあとです。
気がつくと、からあげ大臣先輩がテーブルに突っ伏したまま
眠りこけているではないですか。声をかけると、一応、返事は
あるのですが、起きる気配はさっぱりありません。
季節は冬。暖房を切らなければ生命に関わることにはならない
はずですが、そのまま帰るのもどうなのか…と一人悩むばなな。
悩みすぎて、タンキニ五郎先輩に相談の電話までかけました。
回答は「そのまま帰ってOK」。えっ?
最終的には、なんとか無事タクシーに乗りこんでもらえました。
ラフも描ききれましたし。めでたし、めでたし、なのでした。
ふーっ。
(つづく)